
3Dプリント自助具デザインコンテスト 2023
断端部分を保護し、心地よく野菜がカットできる自助具
プロダクト開発 / 3D PRINTER
左前腕切断事故にあった料理好きなケンちゃん。断端部分を安全に、そして衛生的に調理を楽しめるように自助具を開発しました。
ケンちゃんの夢を応援する自助具づくりの記録でもあります。
[制作環境]
・PC : MacBook Air (M1, 2020)
・3D MODELING : Blender Version 3.2.2
・3D SCANNER : WIDAR
・3D PRINTER : Anycubic Mega-S
・Slicer : Ultimaker Cure
・工作道具いろいろ誰が必要としている道具なの?
23年GW中に開催されたファブリカリウム。
そのイベントで知り合った料理好きなケンちゃん。
ケンちゃんの断端部分をまもり、衛生的に調理が楽しめる。ネコノテと名付けた自助具を開発しました。
プロフィール
僕は小さな港町出身の45歳
両国でグラフィックデザイナーをしています。
妻と二人の子ども。
最近、長男とラグビーを始めました。
身体を動かすことが大好きです。
自助具づくりをはじめたきっかけ
自助具作りのきっかけは、2020年、ファブラボ品川の林さんをテレビでお見かけしてから。
デジタルの力を使い日本で作ったものが、世界の誰かの役に立つ。
世界を舞台に場づくりをされている姿に
”とても”憧れました。
誰のための道具?
開発は左前腕切断事故に遭われた、飲食店経営を夢にもつ ケンちゃんに向けてです。
また同じような障害を抱えていらっしゃる料理が好きな方々に届けられたらと。
どうして開発しようと思ったの?
ファブリカリウム後仲間で開いた餃子パーティーでのひとコマ。断端部分が裸のママ、
包丁を使用しているケンちゃんを目にしました
不安なく料理ができる環境を提供したい。
そして、夢を応援したいと思いました。
コンテスト参加で決めたこと・大切にしたこと
スキルや知識はビギナー。だからこそ大切にしたことがあります。
まず 「続ける。」
続けることによって
何か生まれてくるものがあるはず。
毎日歯をみがくように、
とにかく手を動かし続けました。
完成まで たくさん失敗をしました。
失敗にも完成と同じ価値がある。
誰かの喜びにつながればと
できるだけ情報発信を行いました。
さらに。
ケンちゃんとのやり取りや
作り上げるデザインも
とにかく毎日楽しく。
ワクワクするもの になるように
心がけました。
開発サイクル
考えてみて
作ってみて
確かめて
たくさん早く フィードバックをもらえるように意識しました。
ときには、居酒屋でけんちゃんと一杯やりつつ。。。。笑
考えを共有するためにはどんなものでも利用しました。
具体的な開発の留意点
もちろんブレない開発には留意点が必要です。
台所は濡れたり、汚れたりします。
既存の義手やソケットにはない
別の機能が求められます。
濡れても大丈夫、
食品に触れても大丈夫な
断端部をカバーする開発を
必須条件としました。
スタートからプレゼンまでの流れ
7月に着手し、プレまでの約4ヶ月近くの取り組みで、
5つのプロトタイプ、3回のフィッティングを経て
完成までたどり着くことができました。
初めて扱うフィラメントに悩みつつも、
形にすることができました。
実際にできたもの
目標の品質は「プロユース」
ポリプロピレンフィラメントで、
食品でもOK。
衛生的に丸洗いできます。
3Dプリントじゃないその他のパーツは
簡単に手に入れることができるもので。
とにかくシンプル仕上がりです。
最終フィッティングで
最後のフィッテイングでは、
キャベツの千切り、きゅうりの輪切り・乱切り
スピーディーな着脱をケンちゃんが
実践してくださいました。
3回目最終フィッティング
ベルト2本で着用してもらっていますが、
使用する人次第で1本でも2本でもどちらでも。
ケンちゃんは1本でも大丈夫とのことでした。
「トントントン」と心地よい包丁の音。
音声ありで再生してください。
約10分ほどのロング版はこちらから
ケンちゃんの”出来る”に出会えた!
最終フィッティングのあと、
グループチャットへメッセージがありました
ケンちゃんのできるに
出会うことができました。
小学校でゲストティーチャーを担当
さらに、トライし続けた結果、
子供たちのゲストティーチャーとして
長男がかよう小学校で授業を担当することができました。
「わたしもUDの出来るデザイナーになりたい!」と言ってくれた女の子のことば。忘れません。
とても貴重な体験でした。
もっと”出来る”に出会いたい!
もっとたくさんの「出来る」に出会うため
同じ上肢に障がいのある仲間のモデル開発や、
ケンちゃんモデルの改良。
最近では、畑を借りてホップ栽培から
クラフトビールを作りたいね〜〜〜〜なんて話あっています。
コンテストで得たもの
コンテストは、最終審査までいれると約4ヶ月間。
とにかく少しでも前進です。
大変なこともありますが、それ以上にいいことばかりです。
自分の伸びしろに気づけたこと。
やりたいことを たくさん思えるようになったこと。
そして、このコンテストを通じて
素敵な人たちに出会うこともできました。
必死に記入したファブルは、
「僕」というものを象徴するような、
自分の名刺代わりにも。
無印良品板橋南町22にて展示
受賞作品は、池袋奥にある無印良品板橋南町22で展示をしてくださいました。
Fabble
より詳しい開発ストーリーはこちらから
https://fabble.cc/kiyoshi-utsu/captaincook
COCRE HUB
最終の制作データはこちらからダウンロードできます。
https://cocrehub.com/dl/1e2505/s/045060/r/nfxYKPSXQ9-pjbup--crAg
一般社団法人ICTリハビリテーション研究会
3D プリント自助具デザインコンテスト 2023 関連情報
https://www.ictrehab.com/misc/537/
無印良品 板橋南町22 店の周年祭で 3D プリント自助具デザインコンテスト 2023 の
優秀作品を展示しました
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